第10章

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私が感じてたマーモへの安心感は小さい時から マーモに守ってもらっていたからなんだ 私が不安になった時 私が悲しくなった時 いつもマーモはこう言ってくれた 『だいじょうぶ!ボクはゆーあのみかただから』 2つしか違わないのに… マーモにそう言ってもらうと 何故かすごく安心できた 私はひとりじゃないって心強かった そうだ…マーモと会う事がなくなってた頃 辛い事があった時 悲しい事があった時 誰かに何て慰められても 不安が拭いきれなかったのは マーモに言ってもらえなかったからなんだ あの頃は夜空に向かって パパに話しかけていた 『大丈夫…』 いつもそう聞こえたような気がしてた あれはマーモが言ってくれてた言葉が 私の中に残ってたんだ 「ママ…私…間違ってたのかな… 柚乃ちゃんを一生懸命育ててる雄平さんに出会って 私も一緒に歩いて行きたいって心から思った 雄平さんの為に美味しいもの作ってあげたいとか ずっと側にいたいって思った 柚乃ちゃんも本当の子供みたいにかわいくて 3人で家族になりたいって心から思った そして赤ちゃんが出来てすごくうれしかった だけどね… マーモが中野さんを幸せにしたいって言った時 胸の奥がギュッとなって… 何か不思議な気持ちになったの でも中野さんが彼の所に戻って マーモがひとりになったって聞いた時も マーモの事が心配だった… マーモはね…ひとりよがりだったって言ったけど どんな想いで中野さんの側に行ったのか あの時…私に言ったの 『俺は香澄さんがいまでも俺を好きでいてくれるなら 俺が幸せにしてあげたいと思う だから…他の女性…優愛の事はもう守ってあげれない もう不安にならないように 香澄さんだけを見ていたいから』って… そこまで考えていたのに… だから…ひとりにしておけないって思った いまは私がマーモの側で 安心させてあげたいって思ったの… それってマーモの事が好きだからなのかな… 私…雄平さんを裏切ってるのかな… 私はこのまま雄平さんと結婚していいのかな… だんだんわからなくなってきたの」
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