第10章

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「優愛…私にも何が正しいのかわからないわ でもね…マモくんじゃなくて 雄平さんと一緒になるのも 雄平さんと別れてマモくんと一緒になるのも 優愛の運命だと思うの… 私もね…あなたのお父さん…雄司さんを愛していたわ でも一緒にならなかった… だからこそあなたのパパ…圭と出会えて そして瑛さんとあなた達と家族になった 全部運命だと思ってる あなたも… あなたの思うままに生きて欲しい もしかしたら 誰かを傷つけてしまうかもしれない もしかしたら 誰かの人生を狂わせてしまうかもしれない だけどね…生きていればいろんな事があるわ みんなが幸せになるなんて 難しい事だと思うの だからこそあなたは自分の思う通り生きて 幸せになって欲しい 辛い事もあるかもしれない だけどあなたの為に泣く人もいるかもしれない その人の想いを無駄にしない為にも 幸せになる為に一生懸命生きて欲しいの その為ならママは応援するわ 瑛さんも同じよ あなたには私達がいるから 何も心配はいらないからね あなたがどうしたいか ゆっくり考えてみて…」 ママは私を抱き締めたまま…優しく話した 私が大学を卒業した頃ママが話してくれた 『ママは若い頃いろんな事があったの 決していい事ばかりじゃなかったわ 初めて愛した人には奧さんがいたの いけない事だってわかっているから 離れようとしたわ でも、結局は離れられなかった… 大好きな人の子供を授かったってわかった時には 別れるという選択しかなかった… それからたくさんの人に支えてもらったけど その人達をたくさん傷つけてしまったわ どっちつかずで人に甘える事しかできなかった ひとりで産もうと決めたのに 誰かに頼る事しかできなかったの お腹に赤ちゃんがいるのに その人達と関係を持ったり まわりからみたらふしだらな女だったと思う だけどね…それはその時一生懸命考えたうえでの 私の選んだ道だった… いまは全部運命だったと思ってる 後悔はしていないわ… 私がいまこうしてたくさんの家族に囲まれて 幸せに暮らせているんだもの だけど私の幸せの陰には 傷つけた人もたくさんいたわ その人達の為にも 私は自分の選んできた道を 後悔なんてしない… これからも精一杯幸せになる努力をしていくわ 優愛ももう社会人になるんだから 後悔しない人生を歩んで行って欲しいの…』
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