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それからママが作ってくれた朝ご飯を食べた
バタバタ忙しい希愛ちゃんと
ゆっくり食後のコーヒーを飲んでるハルちゃん
ソファには同じように新聞を読んでるダディとカナくん
洗いものをするママを手伝おうと側に行くと
「まさか手伝おうとしてる?」
ママが笑いながら言った
「うん…寄りかかれば出来るよ」
ケガしてる私が出来ないと思っているのかとそう言えば
「良くなってきてるのはわかるわ…
でも…優愛は変わらないなって思ったの」
「えっ?」
「あなたは小さい時からよくお手伝いをしてくれたわね
『ゆあはおねえちゃんだから…』いつもそう言って…
あなたには小さい頃から大変な思いをさせて
辛い事ばかりでね…甘えたい時に我慢ばかりさせて…
だから私はあなたには特に幸せになって欲しいの
あなたがいちばん落ち着ける場所を探して欲しい…
それがあなたのパパとお父さんの願いでもあるわ…」
「パパとお父さん…」
「ねぇ優愛…お父さんに会ってみない?」
「お父さん?」
「実はね、あなたのお父さん…雄司さんが
社長を辞めてアメリカに行くそうなの
華絵ちゃんとこの篤さんから教えてもらったの
まだ少し先の事だから…考えてみて」
榊 雄司…私の本当のお父さん
高校の頃、あーちゃん…おばあちゃんのお葬式で
初めて会っただけで、ほとんど会話もかわしていない
「ひとりで?」
「私が一緒でもひとりでもあなたに任せるわ
これが最後になるかもしれないの…
アメリカに行ったら戻るつもりはないそうだから
よく考えて…」
「わかった…」
私の本当のお父さんだけど
私には本当の娘のように育ててくれたパパと
パパが亡くなってからもずっと
大事に育ててくれたダディがいる
お父さんに会って何を話せはいいんだろう…
感謝はしている
お父さんとママが出会って愛しあわなければ
私はいまここにはいないんだから
そうだ『ありがとう』ってちゃんと伝えなきゃ
だけどこんな姿じゃなく
ケガが治ってから会いに行こう
心配かけないように…
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