第11章

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「雄平さんおはよう…」 「優愛…来てくれたのか あっ、院長先生も…」 「雄平くん、院長先生だなんて 随分と他人行儀じゃないか?」 「すみません…お義父さん…」 「冗談だよ…ところで体調はどうかな?」 「はい、だいぶ楽になりました」 「経過もいいようだからあとひと月くらいかな? 柚乃ちゃんも寂しいだろうから早く帰らないとな…」 「柚乃より、俺の方が寂しいくらいです 早く3人で暮らしたいです」 「そうだな…早く籍も入れて家族にならないとな あ、そういえば…鈴原さんとは知り合いだったのか? さっき見かけたんだが…」 「ええ…ご主人の裁判を担当してました… あんな事になってしまって… 俺のせいです…不安を取り除いてあげるどころか 余計不安にさせてしまって… 彼女の目も俺のせいかもしれません…」 雄平さんはそう言って頭をかかえてる 「担当弁護士として自分を責めるのも わからないではないけど 彼女の目までは関係ないだろ」 「8年前ですけど… 玉突き事故に巻き込まれたんです 後ろの車がぶつかって来て 歩道に乗り上げてしまったんです その時そこを歩いてた彼女にぶつかって 診断はむち打ちだったんですけど… その時頭も打って 目のあたりも真っ黒になるくらい腫れ上がって…」 「その事が原因だと?」 「さっき話しを聞いてそうじゃないかって…」 「8年前だろ?どうかな?難しいとこだな…」 「5年前ご主人を亡くしてすぐに いなくなってしまったんですよ… 身寄りもなくひとりなのに… ひとりで子供を産んで育ててたって聞いて 俺は彼女が辛い時何も出来なかったんだって 情けないですね… お義父さん…彼女の目はどうなるんでしょうか…」 「おれは担当してないから詳しくはわからないが まぁ…良くはなさそうだな」 「そうですか…」 雄平さんは肩をおとした
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