第11章

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ダディは急患で呼び出され部屋を出て行った 「優愛…お義父さんが言ってた鈴原さんて 俺にとっては大事な人なんだ… 8年前の事故の事で何度か会って 彼女…鈴原美咲さんっていうんだけど… 美咲さんが少しずつ話してくれたんだ… 高校生のときにご両親を病気で立て続けに亡くして 他に身寄りもなくて… ご両親の保険金… そんなすごい金額ではなかったみたいだけど それで何とか高校は卒業出来て だけど進学は諦めて近くのスーパーに就職したんだ 事故の後、俺も何度か買いに行ってた 彼女の事が心配だったからさ… 彼女は明るくてみんなに好かれてるのが よくわかって安心したんだ 事故の後遺症もなさそうで しばらく彼女の事は忘れてた… 1年位経った頃店の前を通って思い出して 元気にしてるか入ってみたけど いなかった…休みかなって店の人に聞いたら 辞めたって言われて…びっくりしたよ でも、思ったんだ 俺に連絡くれないって事は 彼女なりに幸せに過ごしてるんだろうって… 困った事があったら必ず連絡するように言ってたから」 雄平さんは一度話すのをやめて下を向いた 「雄平さんは美咲さんの事が好きではなかったの?」 「好き?…好きは好きだけど妹みたいな感じかな…」 「でも美咲さんは雄平さんが好きだったよね」 「わかんないなぁ…でも彼女も兄貴みたいに 思ってくれてたんじゃないかな…」
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