第1章

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「お姉ちゃま!」 「希愛(のあ)ちゃん!どうしたの?」 「パパがね…」 「ダディがどうしたの…?」 「希愛に早く結婚しろって…」 「希愛ちゃんはまだ学生じゃない… ダディったら…ママは何て言ってるの?」 「パパは海斗(かいと)がお気に入りだから 悪い男に騙される前に一緒にさせるかって 言ってるって…」 「何それ… ダディらしくないわね… 何でも自分で決めなさいって言ってるのに」 「お姉ちゃまは岳(たける)くんと 結婚しないの?」 「何でガクと?」 「だって病院では噂になってるみたいだよ 岳先生と優愛先生が付き合ってるって…」 「ガクはただの幼馴染よ」 「でも岳くんはお姉ちゃまの事好きだよ」 「そんな事ないわよ… ガクとは友達ってしか考えた事ないもの」 「お姉ちゃまがパパのお気に入りの岳くんと 結婚したら… 希愛にうるさく言わないかなって思うから…」 「だからって、私達をくっつけないで…」 「ごめ~ん…実はハルちゃんにも怒られたの お姉ちゃまは仕事人間なんだから 余計な事を言うなって…」 「ハルちゃん、わかってるじゃない…」 「希愛!」 「パパ!」 「こんなとこで何してんだ? 学校はどうした?サボりか?」 「違います!お姉ちゃまの顔を見にきただけ… ずっとお家に帰ってきてなかったから…」 「優愛…たまには耀(あきら)に顔を見せに来いよ…」 「うん…わかった… ダディ、ちょっと痩せたんじゃない? ちゃんとご飯食べてる?」 「最近、急患が多いからな… でも、食事は出来るだけ取るようにはしてるよ ありがとう…優愛」 「ねぇダディ…」 「まだそれには慣れないなぁ…」 「私が高校生の時だからもう10年以上呼んでるわよ」 「お姉ちゃまが言うからかっこいいのよね… 希愛が言ったらみんなきっと笑うわ…」 「だってアメリカのホストファミリーの 子供達がそう呼んでて、コレだ!って思ったんだもの」 「俺はきーちゃんのままで良かったのに…」 「私が嫌だったの…ごめんね、ダディ…」 「じゃ、希愛は帰るね! お姉ちゃま、たまには帰って来てね! ママが待ってるわ…」 「わかった… 明日、帰るってママに言ってて…」
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