第2章

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内科外来の待合室はマスクをして 咳込んでる人でいっぱいだ 「さぁ今日も頑張ろう! 患者さんお願いします…」 「優愛先生、今日も一日宜しくお願いします 患者さん入れますね」 看護師の中野主任は礼儀正しく綺麗な人だ 私と同じ位なのにいつでもどんな時も冷静で 頼りになる存在だ 「優愛ちゃん!昨日は助かったわー」 今日の最初の患者さんは川岸のおばあちゃん 「おばあちゃん…昨日は連絡するの遅くなって ごめんなさいね… 柚乃ちゃんは元気になりましたので…」 「長坂先生からも連絡いただいたの… 迷惑掛けて申し訳ございませんって… だから私じゃなく優愛ちゃんに言ってって 言っといたわ」 「私は仕事ですから…」 「長坂先生、いい男よ… 私があと30若かったらって思うわ でも…柚乃ちゃんがいるからね… やっぱり子持ちはね… 優愛ちゃんは初婚だしねぇ」 「川岸さん…さぁ診察しますよ… お変わりないですか? ちょっと胸を見ますね… むくみはなくなりましたか? 続くようなら腎臓の検査もしてみましょうね」 「おかげさまで最近調子がいいのよ…」 「お薬が合ってるんですね… 今日もいつものお薬出しますね」 「ありがとうございます あっ、そうそう…柚乃ちゃんだけど… まぁ…これは言わなくてもいいか… 何でもないわ…じゃ、またね…」 おばあちゃんの最後の言葉が気になったけど 忙しさでいつの間にか忘れていた 「優愛先生、午前はこれで終了です お疲れ様でした… 午後は小児科ですね…」 「そうなの… 循環器に今日からお手伝いの先生が来たから 今日は院長もそっちに入るから代わりにね」 「お手伝いって、小金沢先生ですよね…」 「よくご存知ね…」 「私、こちらにお世話になる前は 東京の小金沢病院にいましたので…」 「わぁ…すごい…じゃ、真守先生もご存知?」 「先生はまだ学生さんでした…」 「そうなんだぁ…でも、人の縁てすごいわね」 「はい…大事にしたいです…」
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