第2章

7/22

89人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
午後の外来は予約だけなので時間通り診察が終わった 「優愛、問題はなかったか?」 「院長…佐々木那奈ちゃんの定期検診は 問題ありませんでした 金沢則人くんは予定通り入院しました あとは特にありません」 「ありがとう…循環器も真守くんが 問題なくこなしたよ…さすがだ…」 「じゃ、時間通りあがれそうね…」 「あぁ…俺も早めに帰るよ 今日は賑やかになりそうだな…」 待ち合わせのカフェに約束の5分前に着いた 店内を見渡すといちばん奥にマーモがいた 「ごめんね…待った?」 「いや、俺もいま来たとこ…ほら」 そう言ってたっぷり入ったコーヒーカップを見せた 「私も買ってこよう…」 「いや、早く行こう」 「でも…もったいない…」 「じゃ、ゆーあが飲んで…」 私の前にカップを置いた 「マーモ、飲まないの?」 「俺、熱いの苦手だから…ゆーあ、どーぞ」 「じゃ、遠慮なく、いただきます…」 「ゆーあは最初からこの病院?」 「うん…本当はよそに行こうと思ったんだけど ダディがダメだって…」 「やっぱり心配なんだな…」 「でもねカナくんとハルちゃんはよそに行ったんだよ」 「でも実家から出てないだろ… 近くに置いておきたいんだよ…親は」 「そうかもね… でも、いずれカナくんは帰ってくると思うんだ いまうちの病院にいる中川先生の実家の病院にいるから」 「お互いよそで修行中か…」 「そうね」 「さぁそろそろ行こうか…」 私達はタクシーで実家に向かった
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加