第2章

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「お兄ちゃん忙しいところごめんね」 「いやぁ…久々に優愛に会えるって聞いたから 仕事は瑞樹に押し付けてきたよ」 「たーおじさんたら…ミズがかわいそう」 「あいつはいま修行中だからいいんだ… でも、後から来るはずだ 優愛に会って来るって言ってきたから あいつは優愛信者だからな…」 「何言ってるのよ…たーおじさんたら」 「お兄ちゃん、こちらが理子ちゃんの息子さんの 真守くんよ」 「でかいなぁ…いくつあるんだ?」 「87です…うちはみんな大きいので 弟も85あります…」 「うちの瑞樹に分けてくれよ… 70って言ってるけど あいつの事だからサバ読んでるな きっと69だ…」 「でも、ミズくんはかわいい顔だから あのくらいがちょうどいいと思うわ…」 「あぁそうだ肝心な話を先にしよう 酔う前にな…」 「たーおじさんたら酔うの前提なんだ…」 「こんな楽しい夜に飲まないでどうする? なぁ、耀?」 「そうね、みんなが集まるなんて久々だもの ミズくんも来るなら祐未さんも呼べば良かった…」 「祐未はいま忙しいんだ… ボランティア活動でな… 旦那と息子が構ってやれないから 夢中になってやってるよ」 「すごいねぇ…私なんて家の事で精一杯なのに」 「耀は旦那と子供の面倒で手一杯だろ… 人それぞれ違うさ…」 「お兄ちゃん、手頃なとこある?」 「病院からだと優愛のマンションはどうだ? あそこならいまひとつ空いてるはずだから…」 「そうそう…たーおじさん、長坂さんも あのマンションだったのね」 「あっ…柚乃ちゃん大変だったな… 雄平も東京であたふたしてた… 思いの外時間が押して気をもんでたな」 「私が預かってたからゆっくりで良かったのに 同じフロアだったんだから、なおさら…」 「雄平も苦労したんだ 柚乃ちゃんは本当の子供じゃないんだよ 妊娠してる女性と結婚して 先に逝かれたんだからな…」 「えっ…本当の子供じゃないの… とってもかわいがってて 仲のいい親子なのに…」 「雄平はひとりであそこまで育てたんだよ… いろいろ噂されたり… 本当に大変だったと思うよ 優愛も近所のよしみで 気に掛けてやってくれないか…」 「ええ、もちろん… 昨日、少し話をしたら コンビニ弁当が多いって聞いて たまに食事を作る約束したの 私もひとりだし…」
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