第1章

3/18

89人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「優愛センセ!」 「あらっ、菅原さん」 「センセ、すがはらですよ… いい加減覚えて欲しいなぁ…」 「ごめんなさい…でも普通はすがわらよね…」 「まぁ、そうですけど… 優愛センセには覚えてほしいなぁ…なんて」 「私、必要の無い物は覚えない主義なの 他に覚えなくちゃいけない事たくさんあるから」 「いいなぁ…やっぱりセンセはカッコイイですね そのハッキリ言う所が何とも言えなくてね…」 「おい!まだいたのか?」 「あっ、中川先生…先程はどうも…」 「キミは暇なのかな? 何ならトイレ掃除でも手伝って行く?」 「あ…いえ…いま帰るところでした… お邪魔いたしました… 優愛センセ、また…」 医薬品の営業マンがそそくさと帰って行った 「お前、あんなチャラいヤツ 相手にしてるんじゃないよ!」 「何よ、相手になんかしてないわよ… ガクに助けてもらわなくても あんなのは対処できるわ…」 「相変わらず気が強いな」 「ガクに言われたくないわ…」 「そうだ、そんな事より来週だろ…?」 「何?」 「全くお前は…」 「お前、お前って… 付き合ってるわけじゃないんだから…」 「じゃ、付き合うか? いまも付き合ってるようなもんだけどな…」 「どこが…」 「まぁ、いいさ…院長先生のお母さんの法事だよ」 「あぁ…そうだった…私は会った事もなくて 亡くなった時もアメリカにいたから… おばあさまなのにダメよね… でも、何でガクが知ってるの?」 「院長先生に留守の間、俺の大事な患者さん 頼むよって言われてんだよ…」 「何でガクに?」 「それは何れ娘婿になるからじゃないか?」 「ちょっと、ガク! 付き合ってるなんて噂流してるのあなたでしょ!」 「へぇ、そんな噂あるのか? 火のないところに煙は立たないって言うからな」 「もぅ!話しにならない… とにかく私は誰とも付き合ってないし 付き合いません!以上、宜しく!」 「優愛…」 「もう、ガクったら…ふざけ過ぎよ…」 「ゆーあ…」 「えっ?」 振り向くと長身の男性が微笑んで私を見てる
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

89人が本棚に入れています
本棚に追加