第2章

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「あっ、ミズからメールが来てた」 「何だって?」 「いまから来るって…」 「あいつ終わらせたのか… 裁判は明日なのに…」 「たーおじさん、明日裁判なのに 飲んだくれてていいのか?」 「カナ…飲んだくれてはないだろ… 裁判は俺じゃなくて瑞樹だよ…」 「ミズ、もう裁判担当してるの…?」 「いや、手伝わせていま勉強中…」 「たーおじさんってたまにテレビに出てるよね」 「あぁ…一度芸能人の離婚問題で法律を解説したら わかりやすいって評判良くてね たまに呼ばれるな…」 「たーおじさんてこう見えて結構すごいよね」 「ハル…こう見えてってなんだよ」 「だってこんなにおちゃらけてるのに 弁護士で…不動産いっぱい持ってるお金持ちで… テレビにまで出てる」 「おちゃらけてるって… いまは気を許してるからだよ 不動産は俺のじゃなくて親の遺産… お前の母さんは放棄したからな… 俺は仕事の関わりがあってもらっただけだよ だからお前達には還元したいのさ…」 「おじいさんってゆあちゃんのお父さんの会社の 社長だったんでしょ」 「ずっと副社長だったけど亡くなるまでの 最後の2年は社長だったな… 俺は顧問弁護士をしてた 優愛の父親は一度海外に行ったんだけど 跡継ぎがいない親父がどうしてもって 呼び戻したんだ… 優愛…榊さんに会ってるか…?」 「ううん… あーちゃんの葬儀の時に初めて会ってそれきり…」 「たまには顔を見せてやれよ… 榊さんは再婚もしないでずっとひとりなんだ せめて娘の顔くらい…瑛さん、いいよね…」 「俺も言ってるんですよ…耀にも… 優愛の父親であることは事実なんだから 親戚付き合いしてもいいって…」 「瑛さんはやっぱりすごいな… 昔から瑛さんにはかなわないって思ってたけど でっかいよな…」 「私もママとパパの話を聞いて… パパってすごいって思った… 圭パパとの事も全て受け止めてママを愛してる 私もパパみたいな人と結婚したい…」 「ハル…そんなふうに言ってくれてうれしいよ… でもな…人を本当に好きになったら 誰でもそうなるよ…」 ダディはママを見つめて言った 「その気持ちわかるような気がします…」 マーモが言った
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