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もしも…
時間を巻き戻す力、人の心が読める力、他人を操れる力、どれか一つを手に入れるとしたら…。
昔々…
辺境のとある小さな島に、小さな村が有りました。
魚を捕ったり木の実を採ったりの自給自足生活で、定期船も来ない小さな島の小さな村です。
村人達は、心が優しく争いの無い平和な日々を送っていました。
そんな、ある日の事。
ある村人が浜辺に倒れている一人の男を発見しました。
その男の服はボロボロで、肌や髪の色は村人達とは違っていました。
大きな黒い鞄を抱えて気を失っています。
慌てた村人は村から人を呼び、皆で男を村長の家に連れて行きました。
村の村長は名前を『ジジ』といい
村人達から慕われている心優しき人物でした。
「おい。大丈夫か?」
ジジの問い掛けに男は朦朧(もうろう)と答えます。
「…☆…§★∞〇…」
どうやら…言葉が通じないようです。
とりあえず、ジジの家で看病する事になり、
ジジは三日三晩、男に食事を与え、海の神に祈りを捧げ男の回復を願い続けました。
ジジは、
村長であると同時に村一番の祈祷師(きとうし)でもあったのです。
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