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そして…
四日めの朝…。
男は元気を取り戻し、ジジはホッと胸を撫で下ろしました。
「良かった…。しばらく、ここでゆっくりしていけば良い…」
こうして、
男は村で生活を始めました。
男は最初、
何か怯えている様子でしたが、次第に村人達とも打ち解けて…
島の言葉も話せるようになっていきました。
彼は『マイケル』と名乗りました。
こことは別の島に住んでいたのですが船の旅行中に嵐にあい、
気がついたらこの島に流れ着いていたのだそうです。
さて。
マイケルの黒い鞄の中には、ジジ達が見た事の無い、様々な道具が入ってました。
マイケルは時々、島に生えてる植物の葉を採ってきては、
それをすり潰して『ケンビキョウ』という道具で覗き込んだりしていました。
「彼は…
何をしてるのだろう…」
ジジ達は首を傾げましたが、
彼に聞いてもよく分からない返事が返ってきたので静観する事にしました。
そんな…
ある日の事です。
何と!
ジジのかわいい一人息子『パコ』が誤って島に自生している毒の木の実を食べてしまい!
高熱を出して倒れてしまったのです!
この村では、病気は『海に住む悪霊の仕業』と考えられていました。
ジジは、必死に海の神に祈りを捧げましたが、
パコの容態は一向に良くなりません!
実は…
かつての経験からジジや村人達は知っていました。
あの木の実の毒は…
いくら祈りを捧げたとしても…
食べた者は助からない猛毒だという事を…。
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