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それでも、
ジジは泣きながら祈祷を続けました。
「ああ!神様!
どうか私に、どんな毒の力も追い払う魔法の力を下さい!
それか、時間を巻き戻す力でも構いません!
パコがあの毒の木の実を食べる前の時間まで戻って、食べるのをやめさせます!
どうか!どうか!パコを救って下さい!」
と……。
「パコに、この葉の汁を飲ませなさい」
マイケルが緑色の液体が入った木の器をジジに差し出してきたのです。
ジジはマイケルの言う事に半信半疑でしたが、
とにかくパコにその液体を飲ませてみました。
そして!
次の日の朝の事です!
何と!
パコが元の元気を取り戻したではありませんか!
ジジと村人達が飛び上がって喜んだのは言うまでもありません!
「おお、マイケル!息子の命の恩人!!」
その日、村はその話題で持ち切りになりました。
ジジは、試しに祈祷でも病気が治らず寝たきりの他の村人達をマイケルに診せてみました。
すると!
マイケルは鞄の中からいろいろな道具や『クスリ』を取り出し、
村人達の病を次々と治していきました。
ジジや村人達は、またもや飛び上がって喜び、
「凄い祈祷師!私達の神様!ずっとこの島にいてくれ!」
と、彼を改めて大歓迎しました。
ジジはマイケルの為に家を一軒建て、そこに彼を住まわせました。
ある日。
マイケルは、村の一画を耕してパコを救ったあの植物を栽培する事をジジに提案しました。
村人達は村総出で彼の言う通りにしました。
マイケルは、その植物を『ヤクソウ』と呼びました。
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