【欲しくない力】

5/6
前へ
/6ページ
次へ
ある晩の事…。 ジジは、マイケルが元気かと家を訪ねてみました。 「やあ!ジジ!パコは元気かい?」 マイケルは笑顔でジジを迎えました。 ジジも笑顔で答えます。 「うん。元気!ありがとう!マイケルは私達の神様!」 「そんなぁ、照れるよ!」 「いや!照れる事ない!マイケルは、特別な力を持っている」 「特別な…力か…」 と、マイケルは呟いた後… 「それじゃあ、ジジはどんな特別な力が欲しい? 例えば、人の心が読める力、他人を操れる力、時間を巻き戻す力…どれか一つを手に入れるとしたら…」 と、聞いてきました。 「そうだなぁ…。 私は、時間を巻き戻す力かな…。 パコがあの毒の木の実を食べる前の時間まで戻って、食べるのをやめさせるんだ」 「なるほど…。 私は、時間を巻き戻す力は欲しいとは思わないなぁ…。実は…この島に来る前の昔の事は、あまり思い出したくないんだ」 「何か…有ったのか?」 「ま、良いじゃないか。さ、それより入った入った!」 マイケルの家に入ったジジは、珍しい物だらけの家の中を見て目を丸くしました。 「マイケル!その本は何!?」 「これかい?『医学書』と『薬学書』だよ」 「イガクショ?ヤクガクショ?」 「様々な病気の治し方が書いてあるんだ」 「す!凄い!!」 「読んであげるかい?」 「た!頼む!!」 マイケルは、本の内容を島の言葉に翻訳しながらジジに読んで聞かせました……。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加