舞台裏的なおまけ☆

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「恵(けい)ちゃん、恵ちゃん」 バックヤードへの入口扉へ向かう途中、 テナント前通路で呼び止められた。 「ああ、お疲れ様です」 立ち止まって真横を見ると、そこは漬物の専門店前。 百貨店などに多くテナントを出している有名店だ。 そして声の主は、その店の冷蔵ショーケースの向こうに立っているパートのおばちゃんだ。 俺がこの売り場に配属されてからの付き合いなので、もう4年来の知り合いだが、持ち場に近いこともあり、年齢に関係なく良くしてもらっている。 「私もうすぐ上がりだからさ。 朝もらったリスト通りに買っとけばいいんだね」 「ありがとうございます。 ほんっとゴメン、トメさん」 顔の前で軽く手を合わせると「いいのいいの」と、手を振るトメさん。 「今日ちょうどいい時間に上がりだし。 他でもない恵ちゃんたっての頼みだからねぇ。 まあ、がんばんなさいな」 意味ありげにニヤッと笑われ苦笑する。 「じゃ、買ったものは事務所の恵ちゃんのデスクに置いとくから」 お礼をいい、その場を離れようとすると、トメさんが「あ」と何かを思い出した様に声を上げた。 「何?」 「リカーコーナーの亮ちゃんが、上がる前に寄ってって言ってたよ」 「分かった。ありがと」
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