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「おい、莉花…」
やば、松浦さん怒ったかな…
と、心配になり始めたその時、
「ネコババすんなよ」
からかい気味のニヤリ顔が返ってきた。
「しませんっ!これでもベテランですよっ」
「ハハ、失礼しました」
ついムキになって反論すると、松浦さんはなおも笑いながらレジ台を離れた。
「嘘だよ。
ちゃんと莉花のこと信頼してるから。
じゃあ悪いんだけどさ、俺ちょっとまだやらなきゃいけないことあって事務所戻るから、売上袋は鈴木さんと一緒に出納課に持って行ってくれる?」
「あ、はい…分かりました。
…お疲れ様です」
事務所は同じフロアのバックヤードだから、松浦さんは多分そこから直接勤務上がりだ。
信頼されているとは言え、閉店後の楽しみがあっけなく切り上げられて拍子抜けしてしまった。
なんだ、もうサヨナラなんだ、
遅番なのに。
クリスマスイブなのに。
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