雪の国うまれだから

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「寒いね」 目の前に立つ彼女が僕に聞いた。 「まあね。天気予報だと西高東低の気圧配置が強まると言っていたね」 朝の番組の気象予報士の話をそのまま話す。 「私がここに来た理由知りたくない?」 何をいきなり、親の都合以外何があるんだ。 「実は私、雪女なの」 は? 雪女? 「何を言ってるんだ、雪女がそんな厚着をしている訳がないだろう」 目の前にいる彼女はセーターを着ているものの、首もとはマフラーで防寒している姿は昔話で伝えられている話とは全然違っていた。 「やっぱり信じてないんだ」 それはね、あなたに雪女の要素が一切ないからですよ。 「じゃあ、私の言うこと信じさせてあげる」 彼女はそう言って俺に近づいた。 「……ごめんね」 彼女が耳もとでつぶやく。体の芯から冷えていく……。そういえば、雪女って……。 雪女の伝承を思いだしながら、俺は雪道に倒れてしまった。
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