教室の戸を開けたら、そこには

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教室の戸を開けたら、そこには異世界が広がっていた。 いきなり何があったのか、私-高松亜美、という-にはわからなかった。 この異世界には、不思議な光景だらけだった。 まず、あらゆるものが浮いていること。 車も、スケートボードも。まるでバックトゥーザフューチャーのよう。 次に、私の服が変わっていること。 学校に居たことから解るように、制服だったのに、今はなぜか私服。 さらには見たこともないバッグを背負っている。とても重い。 最後に、さっきまで一人でいたはずなのに親友の友香-三枝友香-と夏-田中夏-、颯馬-大倉颯馬-がいる。 しかもみんな寝ている。 「ゆー?なつ?そーま?起きて?」 私はみんなを起こしにかかる。 「んー?あれ?亜美がいるぅ…?」 「…?」 「あれ…亜美だ…?」 ちなみに頭から友香、夏、颯馬の順。ちょっと抜けてて、舌足らずなのが友香で、寡黙な夏、しっかりしてるけどたまに…いやよく…?おかしくなるのが颯馬だ。 「みんな起きて!」 「なんで亜美がいるのぉ?」 「私もよくわかんない!」 そう、私だって教室に居たのに、戸を開けたらここにいたのだ。 「私、さっきまでお家に居たんだよぉ?」 「俺はさっきまで電器店だったな」 「…帰り道」 みんなばらばらだったみたいだ。せめてみんな学校だった、とかならまだわかるのだけれど…。
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