神のひとり子

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 不思議なことに子供たちは彼の明朗な性格にすぐなじんでしまう。現に今も、彼のことを覚えている子供はもう嬉しそうに目を輝かせている。 「おう、みんな一年会わない間におっきくなったな」 「先生は変わらないね」 「いやちょっと胸囲とか育ったんだぞ」 「男がおっぱい自慢すんなよ」 「おっ‥‥」 たじたじのマイケル先生に、神父がさっと会話をひきとる。 「みんな順調に成長してますよ。じゃ、マイケル先生は礼拝のあと玄関ホールでツリーの搬入と設置、お願いしますね」 「いきなり力仕事かぁ」 ぽりぽり指先であごをかくしぐさに、子供たちが笑い出した。 神父はぱん、と手を打った。 「おしゃべりはここまで。はい、じゃあ教会学校はじめるよ。今日の聖句は『マタイによる福音書』六章三十三節」 ぱらぱらと聖書をめくる音が部屋の中に満ちる。年長の子が年下の子にページのひきかたを教えている。小さな手で分厚い聖書をめくるのは、なかなか難しい。
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