ある朝、起きると……

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  オレは、軽トラックの運転席の彼に向かって、   (いくら必要なのか言ってみろ!)   「……3千万円あれば……」   彼は、つぶやいた。   オレは先日、取った5億の内の5千万円を、 バッグに入れて、森の中に隠した。   そして軽トラックの彼に、 その森へ行くよう念を送った。       オレに操られて、彼は森のその場所に やってきた。     そして、バッグの5千万円を見付けて驚いたが、 困っていた。   (携帯番号を言え!)   彼は、番号をつぶやいた。   オレは、その番号に電話して、   『その金は、ヤバい金なんだ。 警察に届けたら捕まるぞ。 仕方ないから、オマエに やるよ。好きに使いな』   彼は、そのバッグを抱えて 軽トラックに飛び乗ると――   走り去って行った。
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