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「で、続くんだけどさ。
今の状態は、主人が死ぬ方。
もし、これで主人が『愛してる』とか
嘘ついたら、どうなると思う?」
「みんな幸せ、じゃないのですか?」
「始めはねー。
でも、主人の言葉を借りるなら
『ずっと未練がましく死んだ人を想い続ける人生を遺産として残したくない』
……とかなんとか。」
「……確かに、今の彼女を見ていると、
無理矢理『愛してる』と言って、時間を進めても、」
「そう、タイくんの主さんの時間はずっと止まったままなんだよ。」
「ならば、どうすれば、我が主を止められるのですか。」
「ええー。
気が済むまで、そっとしとけば良いよ。
きっと、どちらも限界だから、
もうすぐボクの主人がちゃんと死ぬから。」
「それで、良いのですか?」
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