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「ねぇ、ぐー先生と、何、話してたの?」
どろどろに溶け切った綿飴みたいな表情で、
此方をじっと見詰める我が主。
けれど、
時間を巻き戻して精神的に
疲れ切っているせいで、
表情が全然隠しきれていない。
主は今、大きな諦めのような気持ちを持っている。
御方は決して振り向いてはくれない、と思って
それならば
延々にこの世界を続けてしまおう
という諦めだ。
それと本当に、
こんな事をしていても良いのか、という戸惑いが
ぐるぐると渦を巻いている状態だった。
「返事。」
「はい、まだ頂いた能力の扱いに慣れていないものでご指導を」
催促されて思わず、
また当たり障りのない答えを適当に答えた。
確かに、僕は主には内緒で能力を頂いていた。
けれど、主は何百回も時間を繰り返している。
だから、
それぐらい知っている情報だろうし、
別にそんな事を言っても
問題なんて起きないだろう。
――と、思うのは浅はかだったらしい。
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