マンションの大火災

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麻衣「これ、やめな!!健司、泣いてるらに!!」    健司、まだ俯いて真っ赤になって者繰り上げている。 麻衣「大丈夫だに、健司。誰にだってあるこんよ。(男子たちをきっと睨み付ける)もしあんたらが同じ状況になったときにこんなこんされたらどうすんのよ!?」    麻衣、バケツを出して水を汲む。男子たち、キョトンとしてみている。麻衣、バケツを床に置くと履いていたスカートを脱いでバケツの中に付ける。 全員「?!!」    麻衣、黙って下着を脱ぐ。男子たちは麻衣に釘付けになり、女子たちは目を丸くして麻衣を見る。健司も泣き止んでキョトンとしているが、おどおどと目のやり場に困っている。下着を水浸しにすると、再び下着とスカートを身につける。 麻衣「ほら、これでOK。…私、おもらししちゃった…なんか文句ある?」    男子たち、呆然と黙っている。そこへ小林先生が戻ってくる。麻衣、一気に健司の頭からバケツの水をかける。健司、びしょびしょのまま固まっている。 小林先生「みんな、自習なさいって言ったでしょ!!何やってるの。(麻衣を見る)柳平麻衣さん!!あなたは一体何をやっているのです!」 麻衣「私、おもらししちゃったんです!!それを岩波君が笑うもんで…(麻衣、そっと健司にウィンク)」 小林先生「あなたはもう少しまともな子と思っていました。こんなことをするなんて!!早く医務室へ行きなさい!!岩波君も連れていってあげなさい…。そしてあなたは、午後の授業は廊下にたってなさい!!」 麻衣「はい。…健司、行こ。」    健司の手を引いて教室を出る。 ?同・廊下    歩く二人。麻衣はそっと健司に綺麗に畳んだスラックスを渡す。 麻衣「はい。」 健司「?」 麻衣「何か役に立つときのためにと思って学校に置いておいたの。良かった、役に立つときが来て…」 健司「俺…に?」 麻衣「ほいだって、午後もあるんよ。体操着のズボンとか履いてたら又、“あいつもらした!!”ってバカにされるら。だでこれ、履いて。健司、男子用のスラックスは大きすぎて履けないって言って、スラックスだけは女子用を履いとるら。だで、サイズ私と同じだでピッタリ。な。」 健司「麻衣…(涙笑い)ありがとう…。ほれにお前が…」 麻衣「(恥ずかしそうに)良いってこんよ。友達だら。これくらいして当然。」
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