君の魅力

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「自分と異なる遺伝子を持つ異性の匂いを好ましく思う、という実験結果はあるけど、遺伝子は変えようがないし、自分でも分からないからどうしようもないな……力になれなくて申し訳ない」 「……簡単にモテようとした、俺が浅はかでした。」 「そんなモテたかったなんて知らなかったよ。僕はてっきり小湊さんが好きなんだと思ってた」 「颯太は鈍いなぁ。だから、その小湊さんにモテたいんだってば」 「なんだ、決まった子がいるなら話は簡単じゃないか。その子の好みを目指せばいいんだから」 「……それって、例えば?」 縋るような目で圭介は馨瑠さんに向き直る。 「えっ?例えば……そ、そうだな。年頃の女の子が憧れるような男になればいいんじゃないか?」 返答に困る問いを投げかけられ、馨瑠さんはしどろもどろになっている。 「具体的にどんな?馨瑠さんが高校生の時はどんな男に魅力を感じてました?」 じりじりと距離を詰め、尋問のように圭介は質問を続ける。 「わ、私は……その、なんだ……」 追い詰められた馨瑠さんが目で僕に助けを求めてきた。適当なアドバイスをするからこうなるんだ。僕は冷ややかな目で見つめ返した。
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