君の魅力

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「まず、ターゲットの女子が一人でいる所を狙って近寄る」 うんうん、と圭介は何度も頭を上下に動かして頷く。 「そしてこう言うんだ『なんだか元気がないけど、悩み事?嫌でなければ俺が相談に乗るよ』ってね!年頃の女子だ、恋にダイエットに進路に、何かしらに悩んでるに決まってる!要は『あっ、この人私の事見ていてくれてたんだ!』って思わせれば成功さ!どうだい使えるだろう?」 親指を立て千草さんは演説を終了した。 「うぉぉぉおお!なんてナイスアイディア!千草さんマジ天才!」 圭介は千草さんの手を握り感激している。 「さっそく明日にでもやってみるよ!じゃあ、今日はもう遅いし俺帰るわ。千草さん、馨瑠さん、颯太、今日はありがとう!」 言うだけ言うと、そそくさと圭介は店を出て行った。 「グットラック!アミーゴ!」 千草さんは手を振って見送ると、さて私も帰ろっと、と言い残し帰っていった。 嵐が去って静寂が訪れた店内で馨瑠さんが「……馬鹿馬鹿しい」とボソッと呟いた。
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