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西畏「ねぇねぇ鏡火。ここは何処?」
鏡火「………。」
おかしい。さっきまでは、昼頃でもっと壬生寺は古かった。
ならば、何故今夜なんだ?壬生寺が新しいんだ?
どうして冬の筈なのに。桜が咲いているんだ?
鏡火「西畏…。取り敢えず、今は何時頃か。何処なのかを聞いてみよう。」
西畏「うん。」
すでに涙目の西畏の手を優しく、優しく握る。
鏡火「大丈夫、私が居るからね?」
そう言うと、西畏もしっかりと手を握り返してきた。
鏡火「すいません、そこのおひと。」
「なんでっしゃろ?」
まだ人通りが多いところにいた。頭に被る笠を売っていた人に話しかけた。
鏡火「すまないが、今日は何日だったか?」
「へぇ、5月の14日でっせ?お侍さん等、京のお人じゃないでっか?」
そう言いながら、余計なことまで話していってくれた。
西畏「ねぇ……、鏡火。」
鏡火「ああ、私達は江戸時代。それも幕末に来てしまったようだな。」
これはまずい事になったな。この時代は、女の人には損だ。
仕方が無い。わたしは、男として生きるとするか。
取り敢えず今日は、何処かで宿を取らないといけないな。
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