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「隠された大陸に住む人々は戦闘能力に長けている。そこで魔法を鍛えて迎え撃とうとしたんじゃ」
「でもそんなの向こうも鍛えてたら意味ないんじゃないの?」
「いいや。意味があるのさ。なにせ隠された大陸に住む人々は魔法が使えないんじゃよ」
老人のその言葉を聞いた瞬間に、アルマは声を失う。
もしこの老人が言っていることが本当だとしたら、アルマには嫌な仮説が思い浮かんだ。
アルマは頭の中で整理しようとするが、あまりにも突然のことで上手く整理が出来ない。
「もうわかったじゃろ?ワシと‥‥それに君は隠された大陸の人間なんじゃ」
「え?‥‥でも僕はこの村の出身で。それにお母さんだって魔法が使えるし‥‥」
「君のお母さんは‥‥おそらく本当のお母さんじゃない。言い方を悪くすれば、君はある理由でこの大陸に捨てられたんじゃ。そしてワシは君を探していた。」
「な、なに言ってるのおじぃちゃん‥‥ぼく帰る」
アルマは呆然としながら立ち上がり、村に向かって帰ろうとする。
しかしそんなアルマを止めたのは老人だった。
アルマを止めた老人の力は、高齢者とは思えないぐらいの力強さだ。
アルマは、困った表情で老人に目をやる。
「残念じゃが、もう村には帰らん方がいい。」
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