第1章 魔法の使えない少年

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「隠された大陸に住む人々は戦闘能力に長けている。そこで魔法を鍛えて迎え撃とうとしたんじゃ」 「でもそんなの向こうも鍛えてたら意味ないんじゃないの?」 「いいや。意味があるのさ。なにせ隠された大陸に住む人々は魔法が使えないんじゃよ」 老人のその言葉を聞いた瞬間に、アルマは声を失う。 もしこの老人が言っていることが本当だとしたら、アルマには嫌な仮説が思い浮かんだ。 アルマは頭の中で整理しようとするが、あまりにも突然のことで上手く整理が出来ない。 「もうわかったじゃろ?ワシと‥‥それに君は隠された大陸の人間なんじゃ」 「え?‥‥でも僕はこの村の出身で。それにお母さんだって魔法が使えるし‥‥」 「君のお母さんは‥‥おそらく本当のお母さんじゃない。言い方を悪くすれば、君はある理由でこの大陸に捨てられたんじゃ。そしてワシは君を探していた。」 「な、なに言ってるのおじぃちゃん‥‥ぼく帰る」 アルマは呆然としながら立ち上がり、村に向かって帰ろうとする。 しかしそんなアルマを止めたのは老人だった。 アルマを止めた老人の力は、高齢者とは思えないぐらいの力強さだ。 アルマは、困った表情で老人に目をやる。 「残念じゃが、もう村には帰らん方がいい。」
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