第1章 魔法の使えない少年

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すると突然、ガルゴの手のひらから勢いよく青い炎が飛び出してきた。 勢いよく飛び出した炎は、真っ直ぐと老人の元へと向かっていく。 その光景を見たアルマが我に帰り声を出す。 「おじぃちゃん!よけて!!」 しかしアルマのその叫び声を無視して、老人は持っていた風呂敷からある商品を取り出した。 先ほどのガラクタであるパチンコだ。 そして老人はパチンコのゴムを強く引っ張り、一言声を出した。 「水。」 老人はその言葉と同時に、握っていたパチンコのゴムを一気に放す。 すると驚く事に、パチンコからは大量の水が勢いよく飛び出してきたのだ。 「な。なんで?魔法使えないって」 アルマがそう言っている間にも、老人の出した水によってガルマの炎は消化されていく。 そして老人は、間髪入れずに風呂敷から物干し竿を取り出す。 老人はその物干し竿をガルマに向かって構えると同時に、また声を出した。 「伸びろ!」 老人がその言葉を出した瞬間、なんと物干し竿はガルマに向かって勢いよく伸びる。 そして伸びた物干し竿の先が、激しい音を立ててガルマの鳩尾に直撃した。 「ぐふっ!‥‥て、てめぇ」 ガルマがうめき声を上げて、その場に屈み込む。
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