第1章 魔法の使えない少年

15/15
前へ
/170ページ
次へ
そういうと老人は拳銃の引き金を一気に引く。 するとアルマの母親がゆっくりと意識を取り戻した。 「母さん!母さん!」 「あ、あるま‥‥よかった。無事‥‥ね。」 「うん、うん!無事だよ!ごめんごめんね母さん!俺のせいで!」 「ううん‥‥あんたの‥‥せいじゃないわよ。‥‥それよりね‥‥母さん‥‥貴方に隠してたことがあったの」 今にも途切れそうな母親の声を、アルマは噛みしめる様に聞き入った。 そんなアルマの頬からは大量の涙がこぼれ落ちる。 そのうち母親がアルマの頬を拭って、もう一度声を出す。 「アルマ‥‥貴方はね‥‥私の本当の息子じゃない‥‥友人に預かる様に言われた子供よ‥‥。」 「いいよ!いいよそんなのどうだって!母さんは母さんだろ!?」 「ふふ。‥‥ありがとうアルマ。‥‥本当にありがとう。愛してる」 母親はその言葉を最後に、ゆっくりと目を閉じる。 するとアルマは愕然として目を見開いて、大きく声を上げた。 「母さん?母さん!母さああああああああん」
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加