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そしてアルマは、老人に対して馬鹿にした様に声を出した。
「はは。じゃあこのカナヅチは?おっきなハンマーになるとか?あのねぇおじぃちゃん。僕はもう10歳だよ?そんな話し信じるわけないじゃん」
「‥‥ほう。よく分かったなアルマ。そうじゃこのカナヅチはハンマーになる」
その老人の声を聞いて、アルマはまた呆れた様に遠くに目をやる。
こんな胡散臭い老人に構っていられなかった。
そんな事よりこれからどうするかを考えなければいけなかった。
「アルマ。この武器は全て古い友人達の形見だ。‥‥アルマがこの前捨てたこれもな」
そう言い老人は、アルマが川のほとりに投げ捨てた錆びた剣を見せつけてくる。
アルマは少し驚いて、その剣を見つめた。
アルマは老人の言うことに対して半信半疑であったにも関わらず、思わず声を出していた。
「その剣は‥‥どんな剣なの?」
「‥‥それはアルマ。君が自分で応えを見つけるんだ。」
そういい老人は、名残惜しそうに錆び付いた剣をアルマに渡した。
アルマは思わずその剣を受け取る。
そしてその剣を眺めて一時が経った頃、何故か老人は目の前から姿を消していた。
「お、おじぃちゃん?」
アルマは辺りを見渡すが、どこを探しても老人の姿は見当たらない。
そのうち、老人が座っていた所に手紙があるのを見つけた。
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