第2章 少年の旅立ち

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アルマは恐る恐るその手紙に手を伸ばし、ゆっくりと広げて文字を読んだ。 --もし行き先に迷っているのなら、北の大地にある【ヴェンダー王国】に行きなさい。 その短すぎる文章に、アルマは少し戸惑う。 しかしアルマはヴェンダー王国というのがどういう所かは分かっていた。 ヴェンダー王国とは、魔法学校の一つがあるこの大陸で一番大きな王国だ。 そしてアルマは常々、ヴェンダー王国に行ってみたいという思いを持っていた。 「‥‥よし。」 アルマの決心がつくのに、時間は必要なかった。 アルマは老人から貰った、錆びた剣を腰に携える。 そして母の墓の前に跪く。 「母さん。少しだけ待ってて。絶対に母さんの仇を討つよ。」 そういい、アルマは村を飛び出す準備を始めた。
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