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アルマは恐る恐るその手紙に手を伸ばし、ゆっくりと広げて文字を読んだ。
--もし行き先に迷っているのなら、北の大地にある【ヴェンダー王国】に行きなさい。
その短すぎる文章に、アルマは少し戸惑う。
しかしアルマはヴェンダー王国というのがどういう所かは分かっていた。
ヴェンダー王国とは、魔法学校の一つがあるこの大陸で一番大きな王国だ。
そしてアルマは常々、ヴェンダー王国に行ってみたいという思いを持っていた。
「‥‥よし。」
アルマの決心がつくのに、時間は必要なかった。
アルマは老人から貰った、錆びた剣を腰に携える。
そして母の墓の前に跪く。
「母さん。少しだけ待ってて。絶対に母さんの仇を討つよ。」
そういい、アルマは村を飛び出す準備を始めた。
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