第3章 魔法学校のはみ出し者

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村が軍隊によって滅ぼされて1日が経つころ。 アルマはヴェンダー王国を目指すべく村を飛び出し旅に出ていた。 荷物は少々のお金と食料、それに老人から貰った錆び付いた剣のみだ。 「はぁー。ずっと同じ光景だ。」 アルマが思わずそう呟くのも無理はなかった。 村からヴェンダー王国に向かうには、まず50キロ程続く大きな森を抜けなければならなかった。 あまりに永遠に続く森の道に、自分がどれだけ歩いたのかを忘れてしまうほどだろう。 歩き続けて数時間経った頃、アルマは近くに湖を発見した。 「水分だ。‥‥汲んどかないと」 そういい湖へと走る。 アルマは村を出るとき、水分をペットボトル一本分しか持っていかなかった。 そのペットボトルの中身も既に半分程度しか入っていない。 アルマは湖にたどり着くや否や、湖の匂いを嗅いで飲めるかどうか確かめてみる。 するとどうやら湖の水は綺麗なものだったらしく、ペットボトルに汲みはじめた。 それと同時に自分の口にも含む。 「はぁ~。」 アルマは水を飲み終わると、ため息をついてその場に座り込んで俯く。 母親や村人達のことを思い出し、少しだけ気分が沈んでしまっていたのだ。
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