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村が軍隊によって滅ぼされて1日が経つころ。
アルマはヴェンダー王国を目指すべく村を飛び出し旅に出ていた。
荷物は少々のお金と食料、それに老人から貰った錆び付いた剣のみだ。
「はぁー。ずっと同じ光景だ。」
アルマが思わずそう呟くのも無理はなかった。
村からヴェンダー王国に向かうには、まず50キロ程続く大きな森を抜けなければならなかった。
あまりに永遠に続く森の道に、自分がどれだけ歩いたのかを忘れてしまうほどだろう。
歩き続けて数時間経った頃、アルマは近くに湖を発見した。
「水分だ。‥‥汲んどかないと」
そういい湖へと走る。
アルマは村を出るとき、水分をペットボトル一本分しか持っていかなかった。
そのペットボトルの中身も既に半分程度しか入っていない。
アルマは湖にたどり着くや否や、湖の匂いを嗅いで飲めるかどうか確かめてみる。
するとどうやら湖の水は綺麗なものだったらしく、ペットボトルに汲みはじめた。
それと同時に自分の口にも含む。
「はぁ~。」
アルマは水を飲み終わると、ため息をついてその場に座り込んで俯く。
母親や村人達のことを思い出し、少しだけ気分が沈んでしまっていたのだ。
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