27人が本棚に入れています
本棚に追加
アルマが暫く呆然と少年を見つめていると、少年は少しずつアルマに向かって歩いていく。
そして目の前に来ると、手を差し出してきて言葉を発する。
「初めまして、俺の名前はヒスイ。草原大陸魔法学校の3年生だ。‥‥とりあえずその物騒なもん直してくれよ。」
アルマが構えていた錆びた剣を指差し、ヒスイと名乗る少年は握手を求めた。
アルマはその光景に一瞬戸惑うが、ヒスイからは特に敵意を感じない。
アルマは慌てて剣をしまい、ヒスイに向かって握手を返し言葉を出す。
「3年生ってことは同い年だね。そう言えば魔法学校は長期休暇なんだっけ?」
そう言いアルマはリンクのことを思い出していた。
リンクは魔法学校が長期休暇だと言って、村に帰ってきていたからだ。
アルマは、恐らくヒスイも長期休暇だからこんな所をこんな時間にウロウロしているのだろうと思っていた。
しかしヒスイは、アルマからしてみれば予想外な言葉を出す。
「長期休暇?いや‥‥長期休暇は先月だ。今は普通に学校の時間だぞ?」
「え?でも友達が。‥‥それにヒスイだって。」
「あぁ俺はサボってんだよ。正直俺は魔法学校が嫌いだからな。」
「え?」
アルマは、ヒスイの「魔法学校が嫌い」という言葉に思わず反応してしまう。
最初のコメントを投稿しよう!