第1章 魔法の使えない少年

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--魔法学校が設立されて40年。 四つの大陸の中で、一番小さな大陸の一番小さな村に少年はいた。 少年の名前は【アルマ】。魔法は‥‥使えない。 「なんで魔法が使えないんだよぉ!」 アルマは、まるで駄々をこねるように母に叫ぶ。 そんな毎日のように繰り返される光景に、母は食事の支度を始める手を止めることない。 ただ微笑みながら平謝りをするのみだ。 「ごめんねぇ。もうすぐ夕飯だからね」 「そうやっていつも話を逸らして!」 諦めたアルマは軽くふてくされながら、家を飛び出した。 もちろんこれもいつもの事だ。 家を飛び出したアルマは、無意識にいつもの場所に来ていた。 小さな川のほとり。 小鳥が澄んだ鳴き声をあげるのを邪魔するかの様に、アルマは川に石を投げ捨てる。 そして何度目かのため息をついた。 アルマは魔法が使える人間が羨ましかった、魔法学校に通いたかったのだ。 だが無情にもその思いは神様には伝わらない。 呆然と川を眺めて何時間たっただろう。 真上にあった筈の太陽は、既に地平線へと隠れようとしている。 そんな時、アルマの元へ一人のボロボロのマントをつけた老人がやってきた。 その老人は今にも倒れてしまいそうな程細い足をしていて、プルプルと震えていた。 アルマはこの老人がこの村の人間では無いことがすぐにわかった。 小さな村だ、村人全員が顔見知り。 「おじぃちゃん。どうしたの?」
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