第1章 魔法の使えない少年

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アルマがそう言うと、老人はニッコリと笑ってみせる。 すると老人は、ボロボロのマントの中から一つの剣を取り出した。 そして震えた手で、その剣をアルマに手渡す。 「いいか少年。魔法なんかなくたって立派にたたかえるのじゃよ。少なくともワシらはそうじゃった。」 アルマはその老人の言葉の意味が分からずに聞き返すが、老人はまたしてもニッコリと笑った後にどこかへと消えて行った。 アルマは貰った剣を物珍しそうにひたすら見つめた。 その剣はかなり錆びついていたので、試しに適当な草を切ってみた。 すると意外にも切れ味はよかった。 「だけどこんな剣……魔法に敵いっこない!」 アルマはそう言い錆び付いた剣を草むらに投げ捨てる。 そしてまた深くため息をついた。
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