第1章 魔法の使えない少年

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川のほとりで老人に出会って5日後。 アルマはすっかり老人の事も剣の事も忘れている。 いつものように家でご飯を食べていると、玄関から聞き慣れた声が聞こえてきた。 「おーいアルマあぁー」 アルマはその声を聞いて慌てて玄関へと走る。 玄関の先にはアルマの友人で同い年である【リンク】がいた。 「リンク。学校は?」 「ん?あぁ連休だから帰ってきてるんだよ。」 リンクはアルマと違い、通常通り10歳になると同時に魔法が使えるようになっていた。 【木を操る魔法】だ。 この世界の魔法には色んな種類がある。 自然を操る魔法、自然を生み出す魔法、他にも色々。 覚えられる魔法は一人につき一つだが、それを応用して使えるようにするのが魔法学校だ。 「そっか。で?どうしたの?」 「なんだよ、久々に遊びに来たのに冷たいなぁアルマ。まだ魔法が使えないの悩んでるのか?」 「別にそんなんじゃないけど」 「まぁ近くに珍しい物ばっかり売り歩いてる老人がいるらしいから行ってみようぜ!」 そう言うとリンクは、アルマを強引に部屋から連れ出した。
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