第1章 魔法の使えない少年

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村から少し歩いたところで、リンクの言った通り行商人らしき人間が歩いていた。 リンクはその行商人を見かけるや否や、すぐに声をかける。 「お~いおじさ~ん!」 呼びかけられた行商人が、リンクに声をかけられると少し怪訝な表情をして見せた。 しかしその行商人を見て驚いたのはアルマだ。 「あ!この前のおじさん!」 「あぁ君か。」 そう、行商人は5日前にアルマに錆びた剣を渡した老人だったのだ。 アルマとリンクはそそくさとその老人に近づいていく。 近づいてすぐにリンクが老人に声をかけた。 「おじさん変なもんばっか売ってるんだって?ちょっと見せてくれよ!」 「見るのは構わんが、ワシがそれを売るかどうかは分からんぞ。」 「え?‥‥まぁいいや。とりあえず見せてくれよ」 リンクがそう言うと、老人は風呂敷を広げて商品を見せつける。 リンクとアルマはその商品を食い入るように見つめた。 リンクはそのうちの一つである、【パチンコ】らしきものを手に取る。 「なんだこれ?ただのパチンコじゃん」 「こっちもただのハサミ?ていうかこれガラクタばっかりだね。」 アルマは商品を見て、呆れたような顔をした。
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