第1章 魔法の使えない少年

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「ぶわはははは。面白い少年じゃな。その通りじゃ。ワシはガラクタを売りにここに来たわけじゃない。君に会いに来たのじゃ。」 「僕に?」 「そうじゃ。魔法の使えない人間にな。」 アルマはその老人の言葉に、眉間にシワを寄せて聞き入る。 魔法の使えない人間に用があるなんて、意地の悪い記者しかいないからだ。 意地の悪い記者からしたら、魔法が使えない人間は睡眠をしない人間より珍しい。 アルマは驚きながらも老人の次の言葉を待った。 「驚くな少年。実はワシも魔法が使えない。」 「え?そんな、嘘だぁ。」 「嘘じゃないさ。ワシはもう70になるが生まれてこのかた魔法を使えたことなんてない。」 「ほ、本当に?」 「本当じゃ。そこで少年よ。自分が魔法を使えない理由を考えた事はあるか?」 アルマはその老人の質問に困った。 確かに、アルマはなんで魔法が使えないんだろうと落ち込んだ事はある。 というよりは毎日落ち込んでいる。 だが使えない理由を考えた事はないからだ。
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