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「……特にない?」
「しいて言うなら、寂しいだけ。ごめんね、子離れ出来てなくて。パパはね、純の彼氏に会うのは純が結婚するときだって勝手に決めてたのよ。俺は結婚相手にしか会わないんだって。だから、あまりにも予想してた時期より早すぎて気持ちがついていけてないの。ね、パパ」
「……余計な事言うなよ」
はぁ…と溜め息をつきながらコーヒーに口をつけるパパ。
ていうか、パパ、そんな事言ってたんだ……。
「……まぁ、つまり、純にはまだ早すぎるんじゃないのか。異性との交際は。それに二人は、歳が離れてるし」
「そんなの関係ないもん」
「でもお前はまだ未成年だろ」
「そうだけど、私の周りの友達なんてもうとっくの前から彼氏いる子ばっかりだよ。中学生のときから彼氏いる子だっていっぱいいたし」
ちなみに未央も、相当早かった気がする。
「周りは周り。純は純だろ。一緒にするな」
「…っ、どうしてわかってくれないの?もういいよ棗くん!パパと話してたって意味ないよ。どうやったって賛成なんかしてくれないもん、もう行こ…」
パパの説得なんか無理だと、諦めようとした。
結局最初から、賛成する気なんかないんだから。
でも、ソファーから立ち上がった私の手を棗くんはギュッと掴んで、私の動きを制した。
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