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「棗く…」
「俺、炊き込みご飯食べたい。あと、肉じゃが」
「……っ!肉じゃが、世界一美味しいやつ作ってあげる!」
つい張り切ってそう宣言すると、棗くんは楽しそうに笑った。
「自分でハードルあげるなんて、凄いね」
「………」
確かに、アホだ私。
普通に考えて、お店で食べる和食の方がプロの味なんだから美味しいに決まってるのに。
「……ていうか、いいの?棗くん」
「何が?」
「だから、私が作る和食を食べるって事は、つまり……」
「家に来たいんでしょ。言っておくけど、キッチン狭いよ」
「ど…どれだけ狭くたって料理出来るから大丈夫だよ!」
嘘みたい。
まさか、棗くんの家に行ける日がこんなに早く訪れるなんて。
しかもこんな突然。
しかも、私の手料理を食べてもらえるなんて。
どうしよう。
嬉しすぎて、顔がにやけてしまう。
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