結婚してください

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「結婚してください!」 突然だった。 大学の頃から付き合っている彼女に逆プロポーズされた。 同い年で付き合って7年。27歳になる。 「ごめん、まだできないよ」 そう答えると彼女は「やっぱり?えへへ」と答えを知っていたかのように悪戯に笑った。 僕はホッとしたけれど背徳感に襲われた。 もう少し待ってくれ、まだ一人前じゃないんだ。 彼女のことは大好きだし、とても大事に思っている。 だからこそ。 そんなことがあってから一ヶ月後彼女また 「結婚してください!」 先月と同じように僕に逆プロポーズ。 本気なのか? ならばなおさら受けられない。 僕も先月と同じ答えを出す。 そして彼女はまた笑う。 それから毎月逆プロポーズされるようになった。 同じ言葉で返事をする。 最初の頃は背徳感に支配されていたが、 そのうちそんなめんどくさい遊びに付き合っている僕は、自分が優しい彼氏のように思えてきた。 そして一年が経った頃ソファーに座りながら 彼女が何か言いたそうだ。 僕はその言葉を待つ。 「別れてください」
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