0.1%の可能性に賭ける

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看護師は先生に言われたとおりに可憐ちゃんの病気に関するコピーを取ってきた そして霧島に渡す。 先生は「それが、可憐ちゃんの病気を説明したものです。この説明書を読んで勉強しておいてくださいね。家に帰られて、ここに書かれている症状が出たらすぐに病院に来てください。可憐ちゃんを夜間でも受け入れる様に手はずを整えておきますから」と言う。 何とも感謝すべきことだが、きりかは「先生、この子は本当に助からないのですか」ともう一度問うてみる。 「霧島さん、やはり、心臓の奇形は致命傷ですよ。手術をするにもこの子には体力がないからできません。たとえしても死ぬだけです。今は、家に帰って少しでも親子の生活をしていただくことしかできないのです。命はあとわずかだと思っておいてください。悲しい事ですがこれが現実です。それからお二人の遺伝子を調べたのですが、お二人とも、奇形のでやすい遺伝子を持っておられて、これから先何人子どもを作られようと出来る子どもは皆奇形を持って生まれてきます。それがこの間の検査で分かりましたのでお伝えしておきます」
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