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きりかはこの子に罪はない。
悪いのは私達だと心で呟いていた。
せっかく授かった命を何とか生かせてあげたいと思う霧島ときりかだった。
霧島ときりかは、先生から可憐の育児の注意点を聞いて次の日に可憐を連れ帰る事にした。
家に帰るときりかは可憐を抱きしめていた。
優しく抱きしめていた。
穏やかな時間が過ぎていく。
きりかは初めての子どもの初めての世話が出来る喜びを感じていた。
やっと母親らしいことが出来る。可憐が泣けば、おしめを変えてミルクを与える。
きりかは可憐の泣き声を聞き分ける事が出来ていた。
ミルクを欲しい声とオムツを変えてほしい声と抱かれたい声を聞き分ける事が出来た。
きりかと霧島は今を大切にして生きようと誓い合った。
愛しい娘可憐を大切に育てようとしていた。
だから、短い間だが、家族の幸福を味わう事が出きた。
その喜びもつかの間だった。
可憐は心臓病の悪化をきたした。
ミルクを飲んでいる時に喘鳴とチアノーゼが現れた。
きりかはしばらく様子を見ていたが一向に収まらなかった。
あわてて救急車を呼んで病院に駆け込んだ。
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