0.1%の可能性に賭ける

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先生が処置をしてくれたおかげで命に別状は無かった。 しかし、先生からは「霧島さん、これからも喘鳴とチアノーゼを引き起こしたら多分命は短くなりますよ」と言われた。 それを聞いたきりかと霧島はささやかな親子の触れ合いが消え失せるのかと思うと悲しくなってきた。 きりかは、もっと可憐と一緒に居たい。と願う様になっていた。 子供と一緒に居たい。その願いは日に日に大きくなっていった。 そして、ある日霧島が「なあ、実はさ、今日変なおじいさんにあったんだ。そのお爺さんがさ、俺に言うんだ。あなたの時間を巻き戻せば今の事態が変わるだろう。これを上手く使いなさいって渡されたのがこれなんだけどさ」そう言って霧島が見せたのはごく普通の蓮の花の模様が描かれているハンカチだった。 「あなた、時間を巻き戻すってことは私とは無かった事にしたいのそれとも可憐と別れたいの。あなたは今の可憐が嫌いなの。こんな障害を持って生まれてしまったから」ときりかは怒りの目で霧島を見つめる。
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