0.1%の可能性に賭ける

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「きりかいいんだね。俺はやるよ。やってみる。可憐を授かった日にさかのぼってその日はやらないんだそして、別の日にやり直すんだ。いいね。じゃあ、始めるよ」と言うとハンカチを広げる。そして裏返して霧島はきりかと可憐の手を持つとその上にハンカチを置いた。 すると3人の姿が歪んでいく。 意識が遠のきかけたその時、霧島は大きく成長した可憐を見た。 そして意識を失った霧島ときりかは家の中で倒れていた。 そこに可憐はいない。 霧島は目を大きく見開いた。 「おい、きりか起きろ。これは成功したぞ。時間が戻っている。可憐を作る前に戻っている」と喜ぶ霧島。 きりかは「本当だわ。可憐がいない。ねえ、テレビ付けて見て、今日は何日なの」と言うと霧島がテレビを付けた。 去年の4月6日だ。 「あなた、今夜だったわね。可憐を授かったのは。だから今夜は止めておきましょう。来月に回しましょうね。きっと今回の卵はだめなのよ。来月にしましょう。それが0.1%の可能性ね」 「ああ、そうだね。来月にしよう」と言うとお互いに抱き合っていた。
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