0.1%の可能性に賭ける

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そして、1か月後の排卵日に夫婦の交わりをして子作りをする。 お互いにドキドキしながら結果を待っていた。 薬局で妊娠検査薬を買って来て検査をすると、陽性と反応が出た。 きりかは霧島と顔を見合わせると「あなた妊娠したわよ。これは0.1%の可能性よもしこれでダメならもうあきらめましょうね」と言う。 「いや、このハンカチがある限り俺はしたいけど」と本音を言う。 「何言っているの。そんな事をしたら、私達は前に進むことが出来ないじゃないの。ずっと可憐の幻影を追い求める事になるのよ。そんなこと可憐も望んでないわよ。私は今回一回限りにするからね」きりかは強く言う。 その気迫に霧島は驚いていた「ああ、分かった」と答える。やはり度胸が据わっているのは女性の方かもしれないと内心思う霧島だった。 それから十月十日きりかは愛おしくお腹の中の可憐を愛し続ける。 今回思ったのは以前と違い、胎動があると言う事だ。 きりかは心の中で健康で生まれてきてほしいと願っていた。 いつもお腹を撫でて手を当てて声をかけていた。
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