0.1%の可能性に賭ける

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きりかは霧島にとても好感を持った。 このまま付き合ってもいいとさえ思った。 また霧島も、きりかの気立ての良さや優しさに心惹かれていく。 そして、お互いに心を通わせるようになっていく。 きりかは、霧島と一緒になればきっと幸せになれると信じていた。 経済的にも困る事はないし、子どもが出来ても自分は仕事を辞める事も出来る。 霧島は、結婚したら仕事を辞めてほしいと言う。 お互いの意見も同じだった。 そして、きりかは霧島にだかれる度に女としての喜びを感じていた。 やがて二人は結婚して、新居に移り住んだ。 暫くして、きりかは、霧島の子を身ごもる事が出来た。 妊娠した喜びに二人で浸っていた。 優しくお腹を撫でる霧島と子守唄を歌うきりか。 きりかはつわりも、自分の子どもが出来た喜びの事の方が大きくてつらいとは思わなかった。 しかし、妊娠5か月頃になって病院に行くと先生から、「赤ちゃんはよく動いていますか」と聞かれる。 きりかは「先生、この子はあまり動かないんです。体の弱い子でしょうか」と聞いてみる。 確かに、他の妊婦さん達からは胎動が激しくなってきたという声を聞いていた。
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