0.1%の可能性に賭ける

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「そうですね。お母さんが退院しても、子どもはまだ退院できないですよ。もう少し状態が落ち着くまで入院する必要がありますから」と先生に言われる。 「そうですか。妻には子どもが心臓病を患っていると言います。そして、妻が安定してからこの話をします」と言う。 先生は「そうですか。わかりました。その時は言ってください。私の方から説明をしますので。それとお父さんの方にも採血をしてもらいたいのですが、よろしいですか」 「えー先生何の検査ですか」と聞いてみる。 「遺伝子の検査です。これは結果が出てから詳しくお話しします」と先生に言われる。霧島は、そのままきりかの待つ病室へと向かった。 きりかは笑顔で「ねえ、あなた私達の赤ちゃんは元気だった」と無邪気に話す。 霧島も「ああ、元気だった。でも心臓病を持って生まれたらしい。だから、きりかが先に退院することになるよ。赤ちゃんは落ち着くまで入院しなくちゃならないんだ」と話す。 「まだ会えないの。早く会いたいのに」と残念がるきりかだった。
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