0.1%の可能性に賭ける

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「きりかもう母親の顔になっているよ。ダメなのは俺の方だな。俺はまだ父親になっていない」とため息交じりに霧島が言う。 「ねえ、あなた、大丈夫よ。ほらこの子の手を握ってあげて、この子の手の温もりを感じてあげて、何にも考えてはいけないのよ。だた、この子の手を握って感じたらいいのよ」と言う。 霧島もきりかに言われ赤ちゃんに指を差し出した。 するとごつごつとした霧島の指を小さな手が握り締めていた。 霧島は、小さな手の温もりに感動していた。 今まで悲しみの中にいたのに、何だか今は幸せの中にいるような気持になった。 子供と言うのは何とも不思議なものだと思うのであった。 霧島も「なあ、きりか、この子の未来に何が待ち受けていようと俺達が守ってやろう。出来る限りだがな」と言うと霧島も優しいまなざしでわが子を見つめていた。 「ええ、そうしましょう。あなた、名前を付けてあげないと、私ねこの子はかわいい子に育ってほしいから、可憐て名前にしたいのダメかしら」と霧島を見つめてきりかが言う。 「うん、いいんじゃないかな。可憐か、可愛い名前だね」と言うと微笑んでいる。
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